足尾町深沢の十丈の滝

(07)町なか散策

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1. 深沢に残る橋台

 今日は深沢の大滝 “十丈の滝”を見に行きます。
 赤倉郵便局を過ぎ、南橋バス停を右に曲がれば旧深沢地区になります。 集落跡から1.3km程進むと林道は行き止まりになります。左の小道を下り “深沢(川の名称)”に出ると石積みの橋台が目に留まります。
 このように大きな橋台から察するに、その当時、人の往来は大変な数に上ったことでしょう。

☆ 半月峠道(深沢古道): 日光中宮祠と足尾を結ぶ半月峠越えの道が開通したのは大正9年のことで、幹線道路として昭和前期まで利用された。

(写真:2023/02/09)

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2. 半月峠道(深沢古道)

 深沢沿いの道は徒歩でさえ通行が困難なみちです。まして車両では通り抜けることはできません。このような峠道ですが県道250号に制定されているのです。歴史のある県道なのですが “険道” なので、深沢の支沢に架かる “丸太橋” を渡るには勇気が必要です(^_^;)。
(写真:2023/02/09)

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3. 峠越えの道 “深沢古道”

 かつて石を敷きつめて造られた山道の一部が残っています。見た目は平坦な道ですが、落ち葉が落石を覆い隠しているので、時々足を取られて滑るので足首の捻挫を引き起こさぬよう注意して歩きましょう。
(写真:2023/02/09)

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4. 深沢の “小滝”

 今回 深沢沿いの道には雪が無く、この氷瀑も多くの氷が溶け、その名の通り小さな姿になっていました。
 日差しを浴びて浮かびあがった岩と 黒くぬれて質感の出た岩が、凍った滝を引き立てる構図の写真になりました。

☆ 深沢の “小滝” : このサイトの管理人が勝手に呼んでいるだけです。

(写真:2023/02/09)

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5. カツラの木と茶屋跡

 カツラの木が何本もの幹を連立して、岩の上で けなげに生きています。石垣の上には灯籠が見えます。
 この場所が “一の茶屋跡地”です。

☆ 半月峠道(深沢古道): 日光中宮祠と足尾を結ぶ半月峠越えの道が開通したのは大正9年のことで、幹線道路として昭和前期まで利用された。
☆ 半月峠道(深沢古道) : 栃本屋旅館⇔深沢社宅⇔二の茶屋(花の茶屋) ⇔ 一の茶屋(初の茶屋)⇔金山茶屋⇔見晴茶屋⇔富士見茶屋⇔半月峠⇔中禅寺湖南岸 狸窪

(写真:2023/02/09)

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6. 深沢の大滝 “十丈の滝”

  “一の茶屋跡地” を過ぎ、右手にあらわれるヒノキ林の斜面に僅かに残る踏み跡をトラバース気味に下りると滝の見えるテラスに出ます。
 会いに来るのが遅かったようです。滝の上部のみ氷が残っている状態です。残った氷瀑を中心にシャッターを切りました。
(写真:2023/02/09)

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7. 深沢の大滝 “十丈の滝”

 ごらんのように下段の斜瀑はすっかり溶けていました。
 滝の形状は上段、中段、下段の三段瀑だそうですが、見る角度によっては二段に見えます。
 落差は25m~30mのようですが、名前から察するに30mが妥当かと思われます。
 大滝の呼び名に関しては “不動滝”と記された本もありますが、ここでは “十丈の滝”と呼ぶことにします。

☆ 深沢の大滝 “十丈の滝” : 深沢林道でお目にかかった地元の方は、“深沢の大滝”のことを“十丈の滝”と称していました。
☆ 丈(じょう): 尺貫法の長さの単位。一丈は一尺の十倍、約三メートル。
十丈=百尺=30.303メートル

(写真:2023/02/09)

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2008年1月20日の氷瀑

 テラスからは滝壺まで下ることができるので、より近くで滝を見ることができます。
 写真は全面凍結した “十丈の滝”です。この時期にしか見られない凍った滝の厳かな迫力に感激です。
 水の流れが瞬時に凍結したような静かな時空間のなかで、独りシャッターを切りました。

" 幽谷の風なきなかに滝凍る "  とおる

(写真:2008/01/20)

2008_0120.

8. 薄曇り越しに差す淡い光

 帰途の深沢林道。山の端から夕日が差し込む淡い光のなかに立つ木々。シャッターチャンスの声が天から聞こえました(冗談はさておき)。
 木々に心をひきつけられカメラを構えました。
(写真:2023/02/09)

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9. 深沢地区住居跡

 道路脇に生い茂るススキ。この場所が深沢集落跡地。1996年(平成8年)末、無人の社宅となったそうです。
 現在、社宅のあった痕跡は何ひとつ残らず、ススキが むらがって生えているばかりです。
 赤い屋根の建物は (元)上間藤浴場。奥の青い屋根の建つ地域は、南橋地区。
(写真:2023/02/09)

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10. 三養会 “赤倉売店出張所”

 旧深沢社宅入口に残る “(元)赤倉売店出張所” を中央に配置し、曇り空の白さを背景にシャッターを切りました
 売店前に立つ “栃本屋旅館のパネル(まちなか写真館)” から、過ぎ去った昔を知ることができます。

☆ まちなか写真館 : 昔の町並みや建物を紹介する目的で足尾の町中に設置されたパネル写真。
☆ 栃本屋旅館 : 客室30以上で、外国人宿泊の設備を持ち、200人内外の修学旅行の中学校や師範学校の生徒、銅山見学者や中禅寺方面旅行者などで賑わった。
☆ 半月峠道(深沢古道) : 栃本屋旅館⇔深沢社宅⇔二の茶屋(花の茶屋) ⇔ 一の茶屋(初の茶屋) ⇔金山茶屋⇔見晴茶屋⇔富士見茶屋⇔半月峠⇔中禅寺湖南岸 狸窪

(写真:2023/02/09)

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11. 夕日差す “松木山”

 深沢橋の手前で、夕日に染まる松木山(大平山)を撮影しました。地元ではこの山を大平山と呼ぶ人は数少ないです。撮影時、地元の方と路上での立ち話し中、 “松木山”と話されていました。
(写真:2023/02/09)

☆ 松木山 : かつて松木村があったころ、その山は “松木山”と呼ばれていました。足尾町発行の地図にも、松木山と表記され、さらには足尾郷土誌(昭和53年発行)のなかでも、松木山の名で紹介されていました。けれども現在の地形図では “大平山”と記載されています。

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12. 上の平から “松木山”

 深沢橋手前での撮影後、 “上の平”に移動して松木山を写してみました。
 この時間帯では頂上付近のごく一部分のみが辛うじて夕日に間に合った。
(写真:2023/02/09)

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13. 間藤駅イルミネーション

 帰路、地元ボランティアの方々により飾り付けられたイルミネーションがチラチラしている間藤駅に立ち寄りました。
 冬の風物詩として定着している “わたらせ渓谷鐵道各駅イルミネーション” も今回で、19回目を迎えました。
(写真:2023/02/09)

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14. 足尾駅

 駅舎内からヴーーンと、音が聞こえてきます。覗くとバルーンの雪ダルマが左右に揺れています。コンプレッサーの音でした。
 プラットホームで点滅するオブジェを背に、黙々と踊り続ける雪ダルマを見ていると、いつのまにか不思議な時空間に引き込まれてしまいます。
(写真:2023/02/09)

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15. ブルーアワー足尾駅

 薄明(マジックアワー)の空、そのなかでも深い青色の空が見られるブルーモーメントの瞬間をスナップショット。
 夜の山あいを背景に、電飾の光で包まれた駅舎と、信号機の赤色がポイントの写真に仕上がりました。
(写真:2023/02/09)

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16. 足尾駅イルミネーション

 暗闇に浮かび上がる青色。今回撮影にあたり、光のにじみが美しく滑らかなソフト効果が得られるフィルターを使用してみました。
 このページの表紙写真(トナカイと雪ダルマのイルミネーション)もまたソフトフィルターを使用して写しました。
 今日も一日、多くの出会いがありました。
足尾の町ありがとう
(写真:2023/02/09)

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