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- Ⅰ "釣り人の解禁断たれ雪解川" とおる
- 東日本大震災から4年。今年も釣り人が待ちこがれた季節が巡って来ました。しかし、今シーズンも "特設釣り場" のみの解禁となってしまいました(写真:2015/03/27)。
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- Ⅱ "両の手に光と香り蕗の薹" とおる
- 庚申川の左岸ガレ場を、息を切らして登っている時、目の前に色鮮やかに咲いているフキノトウを発見(写真:2008/03/30)。
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- Ⅲ "庚申の岩魚食らうは化け猫か" とおる
- 狙った着水点を見きわめ、慎重にルアーをキャスティング。 間髪を容れず、精悍な顔つきのイワナをゲットしました(写真:2022/05/02)。
♦ 庚申山に棲んでいた化け猫 : 大長編小説「南総里見八犬伝」に登場する化け猫。数百歳の年功を経て、子牛並みの大きさに成長。神通力を駆使し、山の神、土地の神、木の精や年とった獣まで自在に操った。
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- Ⅳ "山神祭こどもの歓喜山笑う" とおる
- 子供達の元気が足尾の里にこだまして、町全体が一日中、祭りの歓喜に包まれます(写真:2008/05/03)。
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- Ⅴ "坑口の懸け橋閉ざす茂りかな" とおる
- 坑口に続く旧小滝橋。この橋にも電気機関車の走る線路が敷かれ、鉱車を牽引して坑内から坑外へと、鉱石の運搬が行われました。旧小滝橋奥の坑口は、茂る若葉によって閉ざされてしまいました(写真:2015/05/27)。
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- Ⅵ "アカシアの咲き充ち香る銅の里" とおる
- 足尾製錬所が操業していた当時は、はげ山であったろうその山が今、満開のハリエンジュでクリーム色に輝いています(写真:2019/06/05)。
♦ 復旧治山事業 : 荒廃地緑化のために足尾では27種類の木本植物が植えられました。その中でもとくに数多く残り、復旧に大きく貢献した樹種の一つがハリエンジュ(ニセアカシア)です。
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- Ⅶ "廃校に二つの石碑夏椿" とおる
- 旧足尾中学校校門ロータリーでの撮影。木の幹と周りに散った花の取り合わせがおもしろく何枚か写真を撮りました。その後石碑に気付き、掲載写真の構図でスナップショット。歴史ある学校跡の写真が撮れました。
左の石碑は “運鈍根” 右の石碑は “1964オリンピック東京大会記念 足尾中PTA” と、それぞれ刻まれています(写真:2023/07/01)。
♦ 運鈍根 : 古河市兵衛の座右銘のひとつ。
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- Ⅷ "木下闇坑夫の滝に風渡る" とおる
- 原生林の広がる庚申渓谷の雰囲気はというと、まさに"木下闇"の一言で表すことができるでしょう。ゴルジュ状の渓谷と水量の多い淵でした(写真:2010/07/19)。
♦ ゴルジュ : 切り立った岩壁にはさまれた峡谷。
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- Ⅸ "山椒の実熟して割れて赤と黒" とおる
- 摘み取る人影も少ない里山で、赤く色づいたサンショウの実がなっていました。間もなくして熟して割れて、黒い種子が現われるでしょう(写真:2015/08/23)。
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- Ⅹ "はげ山の松木村跡秋の茱萸" とおる
- 煙害で草木がなくなって静まりかえった松木村跡にも、たわわに実った生命感あふれるアキグミの木が一本ありました(写真:2008/10/25)。
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- Ⅺ "今朝の日の色は透明冬隣" とおる
- 庚申山の前衛峰、それは錦織りなす山"銀峯"です。"銀峯"の右後方が、主峰"庚申山"。その岩壁と紅葉の景色も、男性的な足尾の秋色を演出しています(写真:2013/10/29)。
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- Ⅻ "神子内を渡る日影に野紺菊" とおる
- 日光側から日足トンネルを抜け栃木平橋を渡り終えると、日の光のなかで咲いているノコンギクを見つけました(写真:2020/10/31)。
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- XIII "眼前の中倉山は雪催" とおる
- 朝日に照らし出された中倉山を写そうと、日の出前に横場山に登り待ちかまえていました。しかし、あいにくの天気で、中倉山を見ることは叶わなかった(写真:2015/11/22)。
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- XIV "幽谷の風なきなかに滝氷る" とおる
- 凍結した滝の厳かな迫力に感激。水の流れが瞬時に凍結したような静かな時空間のなかで、シャッターを切りました(写真:2008/01/20)。
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- XV "氷壁の真中を走る水の音" とおる
- 足尾を代表する滝といえばこれでしょう。なにしろ日足トンネルを抜けると直ぐ右手に見えますから。落差10メートルの名瀑・地蔵滝。この被写体に対して何回シャッターを切っただろうか、いつも新鮮(写真:2016/02/27)。
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