峠みちを歩く
漱石の小説「坑夫」のなかの主人公が、足尾に入る場面で述べている部分があります。
「山の中の山を越えて、雲の中の雲を通り抜けて…。」
当時、足尾に入るには険しい峠道を、自分自身の足で、ワラジやゲタ履きで越えなければならないものでした。今日では舗装された道を、自動車で越すか、または峠下を貫通したトンネルを、難なく通り抜けてしまうだけです。
その結果、利用されなくなった峠道は、山歩きに関心のない方方には、忘れられつつあります(写真:2012/01/26 細尾峠)。
峠道、それは
「山の中の山を越えて、雲の中の雲を通り抜けて…。」 行く道です。
そこには『幸せ』がありますか…。
♦ 山のあなた カール・ブッセ / 訳:上田敏
山のあなたの空遠く 幸(さいはひ)住むと人のいふ。
噫(ああ)、われひとゝ尋(と)めゆきて、涙さしぐみかへりきぬ。
山のあなたになほ遠く 幸(さいはひ)住むと人のいふ。
「海潮音」上田敏
大町桂月が絶讃した阿瀬峠からの霊峰富士(写真:2011/12/12)
⇒ 阿瀬峠(阿世潟峠)へ
足尾の峠
♦ 国土地理院発行(1:25,000)地形図に記載されている足尾の峠(4箇所)
•細尾峠 •阿世潟峠 •半月峠 •粕尾峠
♦ 登山地図 「山と高原地図」 に記載されている足尾の峠(7箇所)
•細尾峠 •阿世潟峠 •半月峠 •粕尾峠
•古峰ヶ原峠 •六林班峠 •舟石峠
♦ 古地図に記載されている足尾の峠(9箇所)
•細尾峠 •阿世潟峠 •半月峠 •粕尾峠
•古峯原峠 •○○峠(六林班峠)
•雨降峠 •太田峠 •笠松峠(大名峠)
◎ 本ページの作成に当っては下記文献を参考にさせていただきました。記して深謝申しあげます。
- 三浦佐久子(2004)『足尾万華鏡-銅山町を彩った暮らしと文化』随想舎